兵は神速を貴ぶ!
響き、なんか格好いいですよねえ。
孫子兵法の言葉だとか、そもそも造語だとか、なんか色々なことを言われてますが、実際どうなの?
てな感じで、この言葉の意味とか出典をダラダラ書き連ねていきます。
言葉の意味は?
意味としては、「戦争は素早さこそ命」といったものになります。
兵=戦争、軍隊という意味。
つまり、戦争関連の話なのです。
要約すれば、「戦争とは神がかり的な速さにこそ価値がある」とか、そんな感じのもの。
即決即断!
なんか響きもそうですし、実際できてしまっている人も格好いいですよねえ。
現代にも言えることですが、やはり手数の多さは立派な武器と言えるでしょう。
まあ、実際に即時行動すると後悔を呼ぶことは多いですが(小早川隆景もそう言ってた←)、
それでも、参考にはしていきたい考え方ですよね。
で、出典は?
この言葉の出どころは、実は三国志だったりしす。
「魏書・荀彧伝」が初出で、軍師である荀彧が、主君・曹操に対して助言した内容となっています。
そのため、この言葉を使ったときに「勝手に言葉を作るな」と注意を受けた場合、それは結構なお門違いなんですよね。
喧嘩にならない程度なら言い返してOKです←
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実は孫子にも似たような言葉が……
孫子に曰く、「兵は拙速を聞くも、未だ巧久を賭ず」と。
前半部分は、なんか似たような語感ですよね。
これこそが、「兵は神速を貴ぶ」が孫子の言葉だと勘違いされる理由なんです。
というかそもそも、意味合いとしては両者に大して違いはありません。
こっちの「拙速」の意味合いは、以下の通り。
「短期決戦では大勝を挙げた例はちょくちょくあるが、長期戦で素晴らしい戦果を挙げた例は聞いたことが無い」
つまるところ、両方とも「さっさと終わらせるに限る」という意味合いを持つことに変わりはありません。
特に戦争は、いろいろと消費は激しいですからね。
あまり長引かせるべきではないというのが、結局のところ孫子の大きな教えの一つだったりします。
曹操は孫子兵法の大ファンで、今出回っている孫子は彼の独自解釈を加えたものがベースになっているほどです。
その軍師である荀彧の事ですから、案外「兵は拙速を聞くも……」という言葉を参考にして、
「兵は神速を貴ぶ!」と提言したのかもしれませんね。
歴史上の駆け引きでは、こういった兵法書を元にした言葉や思想が、ちょくちょく出てきます。
もし三国志とか日本の戦国時代、他にもいろいろな歴史がお好きなら、こういった古代の教えをベースにして、言葉の意味や出所を調べてみるのも、面白いかもしれませんね。
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