千載一遇


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千載一遇

 

 

こいつも実用的というかなんというか、よく使われる言葉ですよね。

 

意味合いは以下の通り。

 

 

「滅多にない機会!」

 

 

三国志なんて割と面倒な分野に興味を持つ方の事ですから、「そんなもん意味は分かっとるわい!」ってな感じでしょうね。

 

 

実際、もう完全に日常会話の中に溶け込んでます。私ももう何回使ったかなんて覚えていませんし、このブログを訪れたあなたも、まあ似たような感じでしょう。

 

とはいえ、まあここに記載してしまった以上は、少しばかり詳しく解説しましょう。

 

 

 

 

言葉を拾って意味を解説してみる

 

 

 

まず「千載」の部分から。

 

これ、「千回」とかそういう意味合いで捉えたくなりますよね。

 

しかし、調べてみるとどうも違う。実は、「千年」という意味なんだとか。

 

 

そして「遇」。これは「出会う」とか、「機会」とか、「もてなす」とか。そういった意味合いが込められているそうな。

 

 

さて、これらを組み合わせるとどうなるか。

 

「千年に一回の機会」と。つまるところ、こうなります。ここから、千載一遇=めったにない奇跡的なチャンス、と。こういう意味につながっていったんですね。

 

 

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わかったから三国志との関係はよ

 

 

はい。これが三国志とどう関係しているのか、ですが……

 

 

袁宏(エンコウ)という後世(っても三国時代が終わって数十年後)の人がまとめた、「三国名臣序賛」なる本に記されています。

 

この本は、なんでも三国志の名臣をベスト20でまとめた本とのことですが(名臣と言いつつ家柄重視なのは突っ込んではいけない部分なのだろう)……

 

 

この本の一説にこうあります。

 

 

千載の一隅は賢智の嘉会なり

 

 

 

今風に言うと、「千年に一度の巡り合いって、頭いい奴らの不思議な出会いのことだよね」と。こんな感じになるわけで。

 

ここから千載一遇という言葉が出てきて、世に広まったとされています。

 

 

 

異説というか、なんか違うというか……

 

 

曹操の南下に際してのお話。曹操がまず手始めとして荊州(ケイシュウ)を奪取しようと動きを見せた時の事。

 

奇しくもこの時、荊州を治めていた劉表(リュウヒョウ)が病死し、その息子である劉琮(リュウソウ)が跡を継いだ直後の事でした。

 

 

実はこの後継ぎの際に、ちょっとしたいざこざもあって、まだ足場が固まっていなかった劉琮勢力。

 

さすがに天下の大半を手に入れた曹操軍には敵わないと見て、多くの家臣は降伏を主張。劉琮本人も、曹操に降る表明をしていました。

 

 

しかしこの時に、とある側近がこう言ったのです。

 

「今なら曹操も油断しています。私が数千の軍勢を率いれば、必ず曹操を捕虜にすることもできるでしょう。そうすれば天下も取れます!さあ、お任せください!」と。

 

この時に千載一遇という言葉を使っただとか使っていないだとか……。まあ何にせよ、その側近にとっては、当時の状況はまたとないビッグチャンスだったのでしょう。

 

 

ちなみにその言葉を受けた劉琮はというと

 

 

 

降伏しました。

 

 

 

曹操に降伏しました

 

 

 

その後、劉琮はめでたくそれなりの地位を手に入れ、辺境で穏やかに暮らしましたとさ。この威勢のいい側近に関しては以降の記述はありませんが、きっと主君である劉琮についていったのでしょう。

 

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