衝撃!? 龐統は実は孫権軍のスパイ説!
さて、トラブル発生によりひそかに封印していた龐統の記述が無事完成したことを祝しまして…………
今回は彼に関するお話。
実のところ、「龐統は孫権軍がよこした劉備の監視役・スパイであり、殺されたのは劉備の陰謀」という説が囁かれているとか何とかで……。
今回はそんな龐統に関する黒いうわさについて、焦げまんじゅうなりに考察していこうと思います。
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孫権軍の所属という言い回しは「本当!」
実は龐統の最初の士官先は、劉備ではなく孫権配下の周瑜の軍。彼の軍の一員として赤壁を戦い抜き、そして周瑜の死後はその遺体を孫権の本営の元まで送り届けたという記述があります。
そして無事に遺体の搬送が終わった後、任地に帰ろうとするときに見送りとして孫権軍の有力者たちが集まり、得意の人物評を披露したとか。
この時に評価したのは、陸績(リクセキ)、顧邵(コショウ)、全琮(ゼンソウ)という三人。いずれも孫権軍では多大な功績を残しており、特に全琮に至っては後の孫呉を代表する一流の名将となる人物です。
この時の評価は、以下の通り。
陸績:今は駑馬だが俊足の能力あり。
顧邵:足は遅いがタフで遠くまで進める牛。
全琮:知力はイマイチだが徳性が高く、樊子昭(ハンシショウ:当時頭のいい人たちに高い評価を受けた、隠れた大物)に近いものがある。時代を代表する大物。
…………誉め言葉ながら、やっぱり容赦ねえなこの人。
ともかく、こんな感じで、率直すぎるあまりちょっと棘のある部分が出るのは、龐統が親しい人と話しているときの特徴(だと思う)。実際に陸績や顧邵は、「天下が平和になったら人物談義でもしよーぜ」と約束し、深く心を許し合ったとか。
と、こんな感じで呉の人たちとも普通に馴染んでいる点もあり、なんだかんだ孫権軍に残留してもやっていけそうなイメージがあります。
龐統伝を読み進めていくと、やはり劉備は一度龐統を見限って左遷しています。しかしその時に「事務じゃなくて参謀で頭使わせなきゃ真価を発揮しませんぜ」とアドバイスを送ったのは、他ならぬ魯粛。諸葛亮もこれに賛同してはいますが、史書を見る限り言い出しっぺは魯粛で間違いないようです。
こんな感じで、あろうことか同盟国の大黒柱がわざわざ龐統の扱いに口出ししてきている辺り、やはり孫権側にもかなり太いパイプを持っていたと見て間違いないでしょう。
さらには後年に宴会で喧嘩した時も、恐々ととしている劉備を尻目に龐統は平気そうな顔だったという描写もあり、ここでも孫権という後ろ盾の存在を認知できないこともありません。
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ただし、やはり一つの陰謀論
とまあここまで証拠を持ち出したうえでも、やはり私は一つの陰謀論かなという結論を出します。
劉備は龐統の死後、その話が出るたびに泣いたとされますが……劉備も狡猾な狸親父。演技であるという可能性も捨てきれないでしょう。
とはいえ、やはり龐統の劉備への献身はスパイという言葉で片付けるには行き過ぎているのかなとも思われます。
まず、自分の元上司である周瑜の策謀を、彼の死後とはいえあっさり劉備にバラした点。そして魯粛の天下三分という構図の範疇ではあるものの、劉備の蜀取りには抜かりない策をきっちり提言していたりと、劉備への一定以上の忠誠心も確かに確認できます。
さらにはその遺族たちも孫権勢力に戻ることなく、蜀の配下として残留したとか。この辺りを見ても、すでに龐統が劉備の配下としてしっかり組み込まれていたことが伺えます。
そしてもう一つ見逃せない点があります。
荊州の名士層の動きです。
実はこの時、荊州の領土の所有権は孫権にありました。しかし、その土地に住む有力者たちは、ほとんどが劉備についていってしまっているのです。
当時の同族は血族に等しいとも言われ、非常に強いつながりで結ばれています。
この辺りの事情を考えると、同じく荊州名士の龐統も、孫権軍より劉備軍のほうが居心地がよかったのかもしれませんね。
そして何より、双方にパイプを持つ龐統が孫権軍からわざわざ劉備軍に向かうことで、孫権側からの戦力提供やお互いの同盟関係の強調といった効果も持つのではないかと思われます。
以上の観点から、「龐統は孫権軍からの一種の橋渡し役まではあり得るが、スパイかと言われると違うのではないか」というのが焦げまんじゅうなりの回答。
とはいえ、仮に龐統が孫権軍のスパイで、しかも益州平定を生き延びたとしたら、後に行われる樊城の戦いを中心にした荊州動乱ではどう動くのか…………ちょっと気になるところではあります。
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