【夏侯淵伝2】人物・逸話


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【夏侯淵伝】地頭いいけど白痴将軍

 

 

 

 

 

義侠の塊?

 

 

 

さて、夏侯淵の逸話には、

 

飢饉のときに飢餓状態に陥り、その時には幼い我が子を捨てて、亡くなった弟の娘を救った

 

という逸話があり、彼の義侠心を表す美談として語られています。

 

 

んー……ん?

 

まあ昨今の価値観と当時の価値観はまるで違うものでしょうし、当時でいえばかなりイケメンな行動に見られたのでしょう。やっぱ儒教って頭おかしい

 

 

 

 

夏侯淵の能力についての言及

 

 

さて、少し能力にも触れてみましょう。

 

夏侯淵は弓の名手として知られていますが、そんな逸話はなく、むしろ速攻や奇襲と兵糧管理に特化したような人物だったように見受けられます。無論、正攻法にも強いですが。

 

その証左として、当時はこんな合言葉(?)があったとか。

 

典軍校尉の夏侯淵、三日で五百里、六日で千里

 

要するにこれ、夏侯淵の異常なまでの行軍スピードをほめてのことですね。語呂の良さが心地いい←

 

 

しかし反面、軽率さやおつむに関しては周囲の評価は辛口で、曹操

 

「司令官になったんだから臆病さも併せ持ちなさい。武勇と勇気は基本の素質だが、知略も用いて行動するのが大事。勇猛さだけで戦っても一人を相手取るので手いっぱいになるぞ」

 

と忠告していました。

 

さらに夏侯淵を討ち取った際に劉備も「夏侯淵より張郃怖い」みたいな供述をしており……まともに相手をすると強いけども策を用いれば案外あっさり倒せる、そんな人物として軽視されていたのがわかります。

 

 

なんにしても、勇猛で戦争にめっぽう強いものの一局面にしか対応できない短所が最期に災いとなり、敵の計略に踊らされて敗死につながったのは間違いないですね。

 

 

ちなみに討ち取られる寸前の描写については、別の伝には「夏侯淵は逆茂木の修理をしていて奇襲を受けた」ともあります。おい司令官……

 

 

韓遂討伐の記載を見るに、少なくとも地頭は悪くないはずなんですが……どうしてこうなった。

 

 

 

 

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夏侯淵の子供

 

 

最後に、夏侯淵の子供たちについても別記に記述がありますので、そちらも軽く記載。

 

 

名前 字 続柄 解説

夏侯衡
伯権?

長男 長男だが、これといった逸話もなく本当は字すら伝わっていない。

曹操の姪をめとり、夏侯淵の後を継ぐ。その後何事もなく病死し、しっかりと子供に跡を継がせた。

夏侯覇
仲権

次男 一番有名な人。無双では覇二-とかいうよくわからないあだ名がついている。

父の仇討ちに燃え奮戦するが、司馬懿のクーデターにより従弟も連座して処刑されると、危機感を抱いて父の仇である蜀に亡命。
張飛が夏侯淵の姪をさらって妻にした関係上から、本人の有能さもあり優遇される。
ある時突如史書から消えて将軍職を剥奪されるが、おそらくそのタイミングで亡くなったと思われる。
ちなみに彼の子供たちは、夏侯淵に免じて無事だったらしい。

夏侯称
叔権

三男 ガキ大将で、夏侯淵自ら見どころを見出した大物。しかし夏侯淵自身がぴったりだと思って選んだ書物を「好きにするわボケ。人に学ぼうとか思わねーしwww」と結局読まずじまいだったらしい。

 

ある時夏侯淵と一緒に仮に出掛けていた時、あろうことか逃げている虎を狙い、父の制止も聞かず一矢で仕留めてしまう

 

おそらく演義での弓の名手と無双シリーズでのいわゆる「淵ジェル」の設定はこの人との逸話から参考にしたものと思われる。

 

また地頭も良いようで、名士を論破して回り有名人に。曹丕からも対等の扱いを受けるが18歳で突如死亡。

夏侯威
季権

四男 男気で知られる生きのいい四男坊。

在命中は高官を歴任し、さらに息子まで優秀で別事取り立てられた。このひとが多分一番大成してる。

夏侯栄
幼権

五男 チラッと見ただけの顔と名前を一発で必中させる驚異の記憶力の持ち主。

父の死に際し、「主君と肉親の危機に逃げるなどできるかぁぁ!!」と剣を振り回し、暴れ回って父共々戦死。

夏侯恵
稚権

六男 剛勇の父とは似つかぬ文官。若くして才知と学に秀で、特に上奏文を書くなどの文才に優れていた。

鍾会の兄とはよく討論になっていたが、彼のほうが一枚上手だったらしい。
文官職や太守を転々とするが三十七歳で死去。

夏侯和
義権

七男 どうしてかこちらも文官肌。

才気利発な弁舌家で、彼も文官職を歴任。

 

 

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