正史ネタが多い……かな?

月旦

 

 

 

月旦(ゲッタン)というと、元の意味は「月初め」という意味を指します。

 

 

そこから派生した言葉ではありますが、最近では

 

「人物評、品定め」という意味がありますね。

 

 

お堅い人とか、見るからに偉そうな人とかが、この言葉を使っていたりはしていませんか? 私もこれまでに数度、この言葉を聞いたことがあります。

 

 

では、なんで「月初め」の意味なのに「品定め」になってしまうのか?

 

 

実はそこのところの事情は、三国志とも影響が深いのです。

 

 

結論から言いますと、許劭(キョショウ)という人がこの言葉の語源です。彼は政治とも太いバイパスを持った有名な人物評論家で、

 

月旦、つまり月初めに一回人物評をしたことから、月旦評という言葉が生まれたとされています。月旦というのは、つまり「月初めに行われる人物評=月旦評」の略なんですね。

 

この許劭という人の月旦評は
「賞賛されればどんどん出世し、批判されれば没落する」とまで言われており、乱世の中で成り上がるためには非常に大きな意味合いを持っていました。

 

 

そのため日々多くの人が彼の人物評を気にしたり楽しみにしたりと大きな反応を示しており、あの曹操や袁紹さえも彼の人物評を意識した動きをしたと史書に残るほど。
彼に評価されるというのは、政治世界でも一目置かれるという意味があったんですね。だからこそ、「褒められたら出世、貶されたら凋落」という構図が出来上がったと考えれば、なんか納得。

 

 

さて、気になる彼の人物評のやり方ですが……

 

 

1.人の身分や気持ちは考慮しない。誰であっても憚らない

 

2.自分の主観で見ていいと思った人は評価。悪いと思えば徹底的にこき下ろす

 

 

こんだけ。

 

あ、あれ? なんか好き嫌いだけで判断してませんか、許劭さん?(;´∀`)

 

 

まあ実際に重視とかそんなんではなく、まさしく主観だけで人物評論をしていた模様。

 

つまり政治にうまく入り込むためには、許劭に気に入られてべた褒めされなければならないという一種のルールが、当時のうちから存在していたのです。
なんとも恐ろしい……

 

 

しかし彼の人物評で世の中に出た偉人もこの時代にはたくさんいるので、その辺は賛否の分かれどころ。一応ただの好き嫌いだけでなく、儒教観念からの善悪の枠決めではあったとは言われていますが……うーん……

 

 

蛇足ではありますが……この人、自分に関してはかなりズブズブで、いとこの許靖(キョセイ)という人が嫌いでしょうがなく、一切評価せず無視を決め込んでいた模様。それでいいのか、人物評論家←

関連ページ

苦肉の策
こいつは三国志演義由来のことわざです。知っている人からすると、けっこう有名どころかな? 舞台は、赤壁の戦いでのことです……
三顧の礼
超有名な言葉ですよね。 今でも、「手厚く迎え入れる」という意味でしばしば使われます。
鶏肋
鶏の肋骨のこと。 ですが、そこから転じて割と有名なことわざに……
千載一遇
三国志とはちょっとズレますが、これもまた入る……のかな?
十人十色
正直、語源は全くの不明です。 が、三国志にも
白眉
「白眉最も良し!」 一番いい物に対して、そんな言葉が使われ魔すよね。
破竹の勢い
これもまた、三国志ネタの一つです。 後期の話なので、案外知らない人も多い……かも。
兵は神速を貴ぶ!
神速……響きがいい……
ちょっと脱線
孫子兵法いついてのあれこれ。

三国志編 お問い合わせ