ところで、孫子兵法ってどんな書物なの?
最近、本屋でも孫子兵法とかをしばしば見かけますよね。
同じ兵法書でも、呉子、六韜、三略その他いろいろと……幾多の兵法書に水をあけて大人気です。
曰く、「経営術にも応用できるから超おすすめ!」とか何とか。
まあ、実際そんな謳い文句も理解できてしまうほど、現代に通用する部分が多い……というのが私の考え。
さて、じゃあ孫子兵法って何物なのかという点に、今回は軽く触れていきましょう。
……三国志で有名なあの人が、本格的に絡んでいるんですよ。
大物たちの愛読書!
歴史を見ても、孫子兵法が好きな人たちは強い人が多いです。
風林火山の教えをを拝借し、今や孫子以上に有名な言葉にしてしまったかもしれない人・武田信玄
座右の銘として孫子の名前を挙げた征服者・ナポレオン他にも古今東西、いろんな人たちが好んで孫子に親しんでます。
それだけとんでもない本なんですね。
というか、古書は大抵、けっこうおもしろいことを書いてます。
肝心な教えの内容は?
要約すると、以下の通り。
・勝てない戦いは断固として避けるべし。十分勝てそうな場合のみ戦うといい
・自分と相手の力量、情報は事細かに調べ上げ、事前準備の段階で「誰でも勝てる状況」を作る人こそ一番すごい
・戦いは騙し合いである。正攻法と奇襲をうまく混ぜて、不意打ち(奇襲)で、敵の予想外の場所を崩すことが、勝利を確定させる手段である。
・自他の兵力や性格、戦う場所、敵の状況によって変幻自在に戦い方を変えることが重要である。
・そもそも戦争は国家の一大事。最終手段である。理想は「戦わずして勝つ」
ふむ、こんなところか(´・ω・`)
特に中国の兵法書は、書いた人の武勇伝的なところが大きく、けっこう曖昧な部分が多いです。
孫子はその中でも特に抽象的な部分の多い書物の一つで、だからこそ戦争以外にもいろいろと知ることができるのが強みですね。
例えば生き方だったり、人間関係だったり、経営術だったり……。
中国古書は、何だかんだ人間の心理を突いたものが多いです。
紀元前から心理学や哲学が色々盛んとか、人間っていったい何なんだ……。
勝つことがいいとは限らない?
「百戦百勝は善の善なる物に非ず」
孫子の一説に、こんな言葉もあります。
つまり、「戦って勝ちまくる事は本当にすごい事とは言えない」とまあ、こんな感じの意味になります。
簡単に言うと「戦争して勝つだけでは能がない」と。こんな感じ。
争うのではなく、心を攻めることが上策。
もし勝っても、ダメージがあまりに大きそうなら、いっそ負けて逃げてしまうのも一つの手段。
プライドが高いと、どうしても戦って屈服させてしまいたくなるものですが、それだけだと、どこかで痛み分けになってしまいますからね。
どこかに必ず「落としどころ」を考えて戦いの場に臨むのも、1流のトップの役目なのかもしれません。
実は今出回っているのは……
そんな世界的に有名な孫子兵法ですが、実は三国志に、これを出回らせた立役者がいるのです。
ズバリ、曹操! この人こそ、孫子の教えを忠実に再現し戦い、天下に王手をかけるに至った人物です。
また、隠遁生活時代には孫子の注釈にも力を入れており、今出回ているものは彼の注釈が加わったものをベースにしているとか。
曹操……いったい何者なんだ、この人は……
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